お知らせ
2016年8月18日にアマゾンのkindle向けkindle本としてリリースいたしました。
で、アマゾンのキンドル・アンリミテッドプログラムに参加させるため、アマゾンの独占販売にせざるを得なくなりましたので、pdf版の公開は中止させて頂きます。
なおkindle版では上下分冊をやめ、再び一冊にまとめてあります。
概要
ある日父母から普通とはいえない夫婦関係の存在を明かされた若者がさまざまな女性とふれ合いながら成長する物語です。
高校卒業を間近に控えた龍造寺拓也(りゅうぞうじたくや)はガールフレンド真奈美から、自分の家に婿に来て欲しいと頼まれます。
が、拓也は真奈美に何も返事が出来ませんでした。
拓也には自分の人生の中で女性とはどう向き合うか何も考えていなかったからです。
そんな小さな事件があった次の週珍しく父浩一が拓也の部屋に呼びに来ます。何事かと思い父の後を追うと、何と父は寝室の地下に設けられた隠し地下室へと拓也を案内し、そこで母を奴隷として調教していたことを告げます。
そして拓也の目の前で今までの母と呼んでいた女性が本当はどういう女なのかを見せ、そして拓也に自分がどういうことを女性に期待しているのかちゃんと考えることが女性と付き合う上では一番大事だと、奇妙な哲学を語り始めるのでした。
大学へ進学した拓也は、東京での一人暮らしをしながら女性とは何者であるかを常に探求し観察するようになりました。
様々な出会いと別れの運命の糸に操られた女性たちがこの拓也の歩く道に影を落としていきます。
拓也の苦悩、そしてその後の成長をお楽しみ下さい。
作品来歴
この作品の最も古い部分は2002年頃に書かれたものです。
物語として一通りが繋がったのは2004年12月頃でなかったかと思います。
つまり足かけ3年あまりの執筆期間を経て、完成したものを2005年3月にサイトで公開したわけです。
ところが今の私の基準に照らして言えばこの作品は未完成でした。
まともに校正ができていなかったのです。
文を書くこと読むことには慣れていましたが、小説というジャンルは全く門外漢だったため、小説のことを何も知らなかったのです。
執筆技術、文章作法、さらにキャラの動かし方、何も分かっていない状態で書き始め、書きながらそういうことを勉強していたわけです。
また執筆に使うWORDについても、小説を書くという作業には使い慣れていなかったので、出来上がりがかなり見にくい状態になったまま放置していたところも多々ありました。
サイトに公開後も約1年間、これは何とかしなければと折りを見ては校正を加えたファイルに差し替える作業をこっそり続けました。
ですから読者の中には、途中で見覚えのあったところが無くなっていたり、あるいはどこを読んでいるか分からなくなった人もおられたかもしれません。
作品のボリューム表示が(原稿用紙約1300枚)などと曖昧だったのもこの理由によるものです。
しかし校正というのは執筆以上に筆力が必要なようで、アイデアを出すこととそれをうまく表現することとは全く別で、ま、いーや、で済ませたところも数限りなくありました。
要するに本格的に校正を行うには、私の実力は不足していたのです。
その後短編長編合わせて20本も書けば、さすがに自分の技法、技術が上がったのがいろいろと自覚できるようになりました。
それにつれて、この作品を見るのが私にとってはかなりの苦痛となってまいりました。
それでサイト内アクセストップ作品の座を当時の最新作「ハイエナはブルースをうたう」に奪われたのを機会に引退してもらうことにしここでの掲載を中止したわけです。
その後いろいろあって有料販売作品として復活延命させることになったのですが、完成度に不満を残したままだったわけです。
どうせそんなに売れることもないだろうと思っていましたしネ。
2008年に入り、プライベートでいろいろと変化があり、それが一つのきっかけになってこの作品のリライト、校正の完璧化を期すという目標を立てました。
もっとも今の頭でゼロからブロットの見直しをしたら、中味が全く別の作品になってしまうので、ブロットそのものには一切手を付ずに文章の品質を最新作品並みに引き上げる作業です。
なんやかんやで実際の作業には2008年4月に着手、このほどようやく「2008年 改稿版」が完成したというわけです。
オリジナル執筆の狙い
従来あったSM小説に満足できなかったから自分で書いたということに尽きます。
では、どういうところが気に入らなかったのか。
一つにはSMというものがあまりにも犯罪に直接つながっているように描かれていたことが不満でした。愛情の発展形という形でSMを描けないかというのが私の立場です。
また通常の性欲の持ち主とは違う人たち、変態だけがSMをするという固定観念に縛られたように見えたのも気に入りませんでした。
それで普通の人が普通に持っている感覚で日常に密着した形でSMがあるという姿を書くことにしました。
また女性というものが男性とどう違うか、あるいは女性の人生におけるステージの差が女性本人の意識にどんな影響を与えているか、というのがSMの向こう側に見えるというものを書こうとしていたという記憶もあります。
もっともこれだけでは無かったはずなんですけどネ。
何度もあらすじやブロットの中をいじりまわしているうちに、いろいろなものが追加されていったはずなんですけど……。
もう忘れちまったんですよー。
とにかくあれも言いたい、これも入れたいといろいろなことを詰め込んだという記憶だけはあるんですが。
ま、どうでもいいっすね、そんな話。
とにかくそういうことがあったんで、枚数がバカみたいに多くなってしまったんです。
どのぐらいが適正な長さなのか、という考え方すら無かったもので……。
改稿版での変更点
ブロットに影響を与えないと言いつつも、物語が以前の版と完全に同じとは言えないところもあります。
前版であった「造形師」の章は今回の改訂で削除としました。
新たに「ヴィーナスたちの宴」という章を追加しました。
削除した部分は構想倒れの生き残り部分で置いておく理由がなくなっていたというのが削除の理由です。
追加した部分はもともと書く構想はあったのですが、当時書いた原稿はシーンがあまりにも旧来のSM小説的で陳腐だったので、こんなんだったら無くてもいいやと章ごとボツにしていたのです。
だからこの部分、ブツ切れで終わった感じで印象が悪かったのです。
原案に立ち返り、新たな草稿を書き下ろしました。もちろん今度のものは自信を持ってお薦めできる内容です。
無料版と有料版、分冊化
もともと無償公開でスタートしたものが途中で有料化するという歩みを今更否定するといろいろな人に迷惑をかけますし、さりとて有料版だけではお読みいただける方が非常に少なくなりそうだしと思い悩み、今回の改稿版の公開は次の二種類の公開版を用意することにしました。
無料版 第一部から第三部を収録 (原稿用紙換算枚数 463枚)
有料版 第一部から第七部まですべてを収録 (原稿用紙換算 1131枚)
ところが、いざトライしてみると思わぬ事態に直面しました。
改稿によって大幅に増やされた改行コード他などのせいらしいのですが、出来上がった有料版のpdfファイルがものすごく重くなってしまったのです。ページめくりすら時間がかかるではもうストレス誘因剤以外の何者でもありません。
というわけで、上下巻に分けて、
上巻=無料 第一部から第三部まで (原稿用紙換算 463枚)
下巻=有料 第四部から第七部まで (原稿用紙換算 667枚)
ということにしました。ま、分かりやすいと言えば分かりやすいでしょ。
従来版をすでに持っている方、購入しておられる方にはいくら良くなったとはいえ、全部を読み返したいと思わない方も多いだろうと思います。
しかしそれでも今回の改稿で追加になった「ヴィーナスたちの宴」につきましてはかなりご興味をお持ちになられることと思います。
また私としても古くから「奴隷の絆」をご支援して頂いた方々には是非お読みいただきたいとも考えております。
そこで「ノクターンノベルズ」という投稿サイトの方に、この章だけを短編作品(R18です)として投稿いたしました。
PDFという姿でお目に掛けられないのは少々残念ですがどうかご容赦くださいませ。
縦書きがお好きという方にはノクターンノベルズのケータイ版ページにある縦書きサービスKタテというのが結構オススメです。
テキスト画面をなんと画像として生成してから表示するというシステムで、ウィンドウズの通常のスクリーンフォントよりはずっときれいなフォントによる縦書きなので、PC版に用意されている縦書き表示よりもずっときれいでPDF並みに読みやすいようです。
章編成
以上のような内容を反映した結果、この改稿版の収録巻と章編成は次の通りとなりました。
|
章題 |
収録巻 |
ノクターンノベルズ |
第一部 父と母 |
出発点―真奈美 |
|
|
秘密の部屋 |
上 |
|
新しい日常 |
上 |
|
叱責 |
上 |
|
実家 |
上 |
|
工藤俊介の相談事 |
上 |
|
伊集院姉妹 |
上 |
|
解けない課題 |
上 |
|
第二部 覚醒 |
かおりの変貌 |
上 |
|
不協和音 |
上 |
|
罠 |
上 |
|
倒錯 |
上 |
|
第三部 陰謀 |
紗枝の獲得 |
上 |
|
ある会合 |
上 |
|
二つのアプローチ |
上 |
|
仕掛け人たち |
上 |
|
第四部 失踪 |
女の親友 |
下 |
|
悪女と野獣 |
下 |
|
羞恥地獄 |
下 |
|
指輪 |
下 |
|
高貴と性の関係 |
下 |
|
絶望の始まり |
下 |
|
加害者の困惑 |
下 |
|
玲とさやか |
下 |
|
接触 |
下 |
|
第五部 克服 |
友情 |
下 |
|
収まらない余震一 |
下 |
|
収まらない余震二 |
下 |
|
奴隷志望者 |
下 |
|
IT講習 |
下 |
|
記憶 |
下 |
|
学習と特訓 |
下 |
|
受け継がれるもの |
下 |
|
メモリアルスーツ |
下 |
|
ヴィーナスたちの宴 |
下 |
○ |
第六部 リ・バース |
海底への埋葬 |
下 |
|
死の予感 |
下 |
|
警告 |
下 |
|
軟禁 |
下 |
|
披露宴 |
下 |
|
解放 |
下 |
|
新生藤田 |
下 |
|
フェアウェルパーティ |
下 |
|
繁殖 |
下 |
|
疑惑 |
下 |
|
第七部 対決 |
出産 |
下 |
|
アドバイス |
下 |
|
アプローチ |
下 |
|
俊介の推理 |
下 |
|
破局 |
下 |
|
知られざる関係 |
下 |
|
決意 |
下 |
|
真相 |
下 |
|
紫VS玲 |
下 |
|
笹竜胆の絆 |
下 |
|
エピローグ |
下 |
|
|